教授 村上 雅人 | 研究テーマ | 研究室のメンバー | 超伝導の基礎 | バルク超伝導体の誕生 | 論文 | 特許 |
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1. 高温超伝導バルク体の臨界電流密度の向上に関する研究
組織制御により、バルクRE-Ba-Cu-O超伝導体中に有効なピン止めセンターとして働く構造欠陥を導入することにより、臨界電流密度の向上を図る
(超電導工学研究所との共同研究)
2. バルク超伝導磁石の大型化に関する研究
種結晶溶融(top seeding melt growth)法のプロセス制御により、単一ドメインのRE-Ba-Cu-O超伝導体を大型化する。
また、盛岡超電導応用技術研究所と共同で、超伝導接合による材料の大型化も検討している。
3. バルク超伝導磁石の捕捉磁場向上に関する研究
樹脂含浸および低融点合金含浸などの手法により、バルク超伝導体の機械特性の向上および低温安定性の向上を図ることでバルク超伝導体が捕捉できる磁場の大きさを向上させる。
最近、直径2.6cmのY-Ba-Cu-Oを29Kまで冷却して17Tという世界最高の磁場を捕捉することに成功している。
(超電導工学研究所、鉄道総合技術研究所との共同研究)
4. 超伝導フライホイールプロジェクト
NEDOの研究テーマ。超伝導と永久磁石の相互作用を利用して、超伝導ステータで空中に非接触で支持した永久磁石ロータを回転させてエネルギー貯蔵する。超伝導軸受けでは、いかに回転ロスを減らすかということと、運転中のロータの降下をいかに抑えるかが課題となっている。
5. 微小重力下超伝導材料製造プロジェクト
HIIAロケットで打ち上げたUSERS衛星で、大型超伝導材料を製造する実験。バルク超伝導磁石には大型化すると磁力が増すという性質があるが、地上で製造すると支持基板との反応のために、大型の超伝導体の超伝導特性が劣化するという問題がある。宇宙の微小重力環境下では、種結晶だけで大型のGd-Ba-Cu-O超伝導体を支持して結晶成長させる。すでに3個の実験を無事成功し、この5月に小笠原沖に帰還する予定である。
NEDOよりUSEFが委託を受け、実験システムを開発し、超電導工学研究所が宇宙実験を、IHIが宇宙炉の設計と運用を担当している。
6. 超伝導磁気分離装置に関する研究
日立製作所、東京商船大学、超電導工学研究所と共同で、バルク超伝導磁石の強い磁気勾配と磁場を利用することで、汚染された水の浄化を行う磁気分離装置の開発を行っている。あおこや海水汚染の赤潮の除去に有効であることを示した。現在、東京湾クリーン作戦と呼ばれるプロジェクトを提案している。
7. 超伝導モータに関する研究
バルク超伝導磁石の強い磁場を利用すると、高トルクモータの開発が可能となる。現在、東京商船大学や北野精機などと船舶推進用モータの開発に取り組んでいる。
8 鉄系形状記憶合金に関する研究
Fe-Mn-Si系合金は、FCC→HCPの応力誘起型イプシロンマルテンサイト変態を生じる。この変態を利用すると、形状記憶効果が発現する。現在、大型パイプ継ぎ手としての本格的な応用がはじまろうとしている。しかし、その応用拡大のためには継ぎ手の締め付け力の向上がかぎとなっており、より強い回復力を示す材料の開発を行っている。
9. 球状磁性体に関する研究
球状の磁性体としては地球が代表である。しかし、球状の強磁性体の磁化を調べると、その磁場分布は必ずしも自明ではない。たとえば、その中心は特異点になるはずである。現在、その面白い磁化特性の解明を岩手大学および岩手高校と共同で行っている。
10. 液体酸素の物性に関する研究
高温超伝導体の応用においては液体窒素冷却(-196℃、77K)が一般であるが、病院や液体燃料など液体酸素(90K)の応用も重要である。本研究では液体酸素中での高温超伝導の応用を念頭に置いて、その物性、特に磁性がどのような影響を与えるかを調べるものである。